平成23年度 空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会 近畿支部研究発表優秀論文

平成23年度空気調和・ 衛生工学会近畿支部学術研究発表会 
近畿支部学術研究発表会奨励賞の選考結果について
 
(社)空気調和・衛生工学会近畿支部
支部長 鉾井 修一
学術研究発表委員会主査 梶井 宏修



 空気調和・衛生工学会近畿支部では、平成24 年3月13日に開催されました平成23年度近畿支部学術研究発表会に際し、「近畿支部学術研究発表会奨励賞」を選定することとし、慎重に審査した結果、下 記の6編の論文を選考いたしました。




学術研究部門 7編

A-8 家庭用 SOFC-CGS の性能評価に関する研究
その 1 システム概要と数理モデル化
  夜久幸希(京都府立大学)、尾崎明仁(京都府立大学)
  [審査評]本論文は、商用化がなされた個体酸化物燃料電池(SOFC)を用いた家庭用コージェネレーションシステム(SOFC-CGS)に着目し、家庭用のSOFC-CGSを構成する各機器の数値モデルを連成させたSOFC-CGSシミュレーションプログラムを構築し、機器の特性について検討している。計算により得られたSOFC単セルの特性や熱回収効率などを検討し、システム構成の再検討が必要であるとしている。複数の数値モデルを連成させたプログラムの構築など独自性および工学応用性が評価できることから奨励賞に値する論文と判定した。
    
A-11 熱・水分・空気複合移動を考慮した建築全体の温湿度環境解析
(その2)建築系と人体系の連成シミュレーション
  李明香(京都府立大学)、尾崎明仁(京都府立大学) 
  [審査評]本論文は、建築の熱・水分・空気の複合移動現象を数値モデル化し、建築系と人体系の伝熱モデルを連成した数値シミュレーションソフトTHERBを開発し、不均一熱環境下のフィールド実験に対する計算精度を検証している。計算結果から床暖房による温熱環境への影響など不均一な温熱環境を評価できるとしている。不均一温熱環境の評価に関する新規性および学術貢献度が高く評価できることから奨励賞に値する論文と判定した。
    
A-24 消・脱臭剤のノズル噴霧による臭気除去効果に関する基礎的研究
(その2)粒子内瞬時反応を仮定した消・脱臭性能予測 
  安井さおり(大阪大学)、山中俊夫(大阪大学)、相良和伸(大阪大学)、甲谷寿史(大阪大学)
桃井良尚(大阪大学)、大森啓充(大阪大学)
  [審査評]消・脱臭剤のノズル噴霧による臭気除去効果を明らかにするために、二流体ノズルによる下方噴霧流の挙動解析モデルを構築し、消・脱臭の性能予測をしている。噴霧流の中心速度の計算結果は測定値と一致し、粒子内瞬時完全分解反応を仮定した噴霧による臭気除去効果が促進するとしている。消・脱臭剤の臭気除去の効果予測に関する学術貢献度およびプレゼンテーションが評価できることから奨励賞に値する論文と判定した。
    
A-42 費用関数法を用いた温・速度場推定手法の可能性評価
  久野貴大(大阪大学)、近藤明(大阪大学)、井上義雄(大阪大学)
塩地純夫(ダイキン工業)、小松彰(ダイキン工業) 
  [審査評]熱源が存在する3次元定常非等温場である環境試験室における浮力による温・速度場の測定結果を用いて、支配方程式の数値計算結果の精度を向上させる費用関数法について提案している。複雑な浮力を伴う現象に対して費用関数法による精度の高い温・速度場の推定が可能であることを示した。以上のようにこの論文は、新規性及び工学応用性が高く評価できることから奨励賞に値する論文と判定した。
    
A-55 太陽光を利用したSmart EcoEnergy Houseに関する研究
  重森康太郎(京都府立大学)、尾崎明仁(京都府立大学)、鈴木香奈子(京都府立大学)
野々口義人(京都府立大学)
  [審査評]スーパー次世代省エネ基準の住宅を対象として、暖冷房、給湯、厨房、家電・照明の各用途別エネルギー消費量を数値シミュレーションから推定し、実効的な省エネルギー手法の考察を行っている。建築及び設備の仕様、ライフスタイルの変更などの組み合わせにより大きな省エネ効果が得られることを示している。また、太陽光発電システムの発電量を推定しNet Zero Energyの可能性を明らかにしている。以上のように、工学応用性が高く評価でき、また、プレゼンテーションの評価も高いことから奨励賞に値する論文と判定した。
    
A-66 外気冷却式デシカント空調システムにおける省エネルギー性と冷房能力に関する検討
  岡田裕也(大阪電気通信大学)、添田晴生(大阪電気通信大学)、森幸治(大阪電気通信大学) 
  [審査評]デシカント空調システムは熱源を選ばない熱駆動のため、ごみ処理排熱や太陽熱などを有効利用でき、エネルギー問題が深刻化している最近の情勢に相応しい研究となっている。この研究では、外気冷却式デシカント空調システムの数値モデルを作成し、冷房・除湿能力、省エネルギー性についてパラメータスタディを行い、改良型デシカント空調の省エネルギー性や能力の向上について定量的に明らかにしている。以上のようにこの論文は、新規性及び工学応用性や学術への貢献が高く評価できることから奨励賞に値する論文と判定した。



学術研究部門 7編

B-2 氷蓄熱を活用した大温度差熱源システムの高効率運転制御の評価
  藤井健太(関西電力)、上田善久(関西電力)、北島達(関西電力)
小柴貞弘(竹中工務店)、安心院智(竹中工務店)  
  [審査評]本報告は、空調の高効率運転にむけて、高効率インバータ水冷チラーと氷蓄熱の大温度差空調システムを採用した大規模商業施設における空調運転データを実測し、機器データの実績確認、年間負荷・COPの検証を行い、空調一次側のシステムCOPが4.55で高効率あることなど省エネルギー性能を確認している。工学応用性およびアピール力が評価できることから奨励賞に値する技術報告と判定した。

 


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