2008年度空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会
近畿支部学術研究発表会奨励賞の選考結果について
(社)空気調和・衛生工学会近畿支部
支部長 加賀 昭和
学術研究発表委員会主査 下田 吉之
空気調和・衛生工学会近畿支部では、2009年3月18日に開催されました平成20年
度近畿支部学術研究発表会に際し、「近畿支部学術研究発表会奨励賞」を選定することとし、
慎重に審査した結果、下記の 6 編の論文を選考いたしました。
記
A- 9 次亜塩素酸水噴霧による悪臭物質の消・脱臭効果に関する研究
(その 1)メチルメルカプタンに対する気中濃度減衰効果の定量化
古芝由希子(大阪大学) 相良和伸(大阪大学) 山中俊夫(大阪大学) 甲谷寿史(大阪大学)
桃井良尚(大阪大学) 九野朱美(大阪大学) 三浦満雄(日建設計) 粕谷浩司(日建設計) 田
辺慎吾(日建設計) 辻 裕次(清水建設)
[審査評]本論文は、病院等における悪臭防止対策として、次亜塩素酸水を噴霧するこ
とにより、換気回数を低減することを目指した研究の一環として、実験室による脱・
消臭剤の噴霧実験、反応理論に基づく計算結果との比較について述べたものである。
粒子径と消・脱臭効果の関係を明らかにするなど研究内容全般が高く評価され、また
発表のプレゼンテーション力についても高い評価があり、奨励賞に値する論文と判定
した。
A-20 バックトラジェクトリ法による花粉排出源の推定
山尾恒(大阪大学) 近藤 明(大阪大学) 加賀昭和(大阪大学) 井上義雄(大阪大学)
[審査評]本論文は、花粉の飛散シミュレーションをおこない、軌道を追跡することで
人口集中地域に飛来する花粉排出源を特定し、花粉飛散を軽減できる森林管理施策へ
とつなげることを目的としたものである。シミュレーション結果は観測値ともほぼ整
合しており、大阪・京都の排出源の違いを明らかにしているなど、研究の新規性およ
び工学応用性が高く評価され奨励賞に値する論文と判定した。
A-26 室内外流管解析に基づく通風量予測法に関する研究
(その 10)流管内エネルギーの散逸量及び輸送量に関する基礎的検討
小林知広(大阪大学) 甲谷寿史(大阪大学) 相良和伸(大阪大学) 山中俊夫(大阪大学)
桃井良尚(大阪大学)
[審査評]本論文は、室内外の流管内におけるエネルギーバランスに基づいて建物通風
量の簡易予測手法の確立を目指した研究で、CFD 解析により、開口条件を変化させた
場合の通風経路全体でのエネルギー散逸量の輸送量を算出したものである。粘性消散
の空間分布から流管内パワーロス中の乱流渦の粘性消散要素が大きいことを示すほか、
流路全体のエネルギー損失分布について詳細に考察しており、学術貢献性やプレゼン
テーション力が高く評価され、奨励賞に値する論文と判定した。
A-39 都市空間における植物単体の熱収支特性に関する研究
片岡由美(大阪府立大学) 新居宏亮(大阪府立大学) 吉田篤正(大阪府立大学) 木下進一
(大阪府立大学)
[審査評]本論文は,都市空間内の植栽や街路樹などの孤立した植物を想定し,単木樹
木及び鉢植え植物を対象として孤立植物の熱収支特性の測定を行い,都市空間におけ
る植栽の効果を定量的に評価した研究である.植物からの潜熱輸送量とともに,葉面
の熱伝達率や樹木の蒸発効率も算出されており,工学応用性の高い点が評価され,奨
励賞に値する論文と判定された.
A-64 大阪市を対象とした交通・民生部門の CO2 排出量削減手法の評価
前田秀人(大阪大学) 山口容平(大阪大学) 下田吉之(大阪大学)
[審査評]本論文は,大阪市を対象として交通部門の CO2 排出量の推計と削減手法の評
価を行うとともに,将来の人口減少による交通部門,業務部門,家庭部門における CO2
排出削減量の推計とより効果的な削減手法を検討した研究である.想定される幾つか
の CO2 削減手法の評価が定量的に示されており,研究内容の新規性及びプレゼンテー
ションのアピール力が高く評価され,奨励賞に値する論文と判定された.
A-69 伝熱シミュレーションによる外気導入建物蓄熱の運転法の検討
熊田瑶子(大阪大学) 山際将司(大阪大学) 相良和伸(大阪大学) 山中俊夫(大阪大学) 甲
谷寿史(大阪大学) 桃井良尚(大阪大学)
[審査評]本論文は,外気導入建物蓄熱の蓄熱性状を実測調査により把握するとともに,
伝熱シミュレーションにより最適な運転方法を検討した研究である.実測調査より外
気温度等の外部条件が蓄熱量に及ぼす影響が考察され,伝熱シミュレーションにより
ファンの消費電力量と蓄熱量との関係から最適な風量が検討された.学術貢献性の高
さや工学応用性などが評価され,奨励賞に値する論文と判定された.
平成20年度空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会
近畿支部学術研究発表会奨励賞の選考について
(社)空気調和・衛生工学会近畿支部
支部長 加賀 昭和
学術研究発表委員会主査 下田 吉之
空気調和・衛生工学会近畿支部では、平成21 年3月18日に開催されました平成20年
度近畿支部学術研究発表会に際し、若手研究者・技術者に対して、学術講演会への参加意
欲を高めるとともに、発表論文の内容・水準・講演技術の向上に対するインセンティブを
与えることを目的として、「空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会奨励賞」を選定
しました。
審査における評価項目、評価方法は下記の通りです。
記
1.評価項目
審査における評価項目は、以下の4項目としました。
1)新規性・独自性(独創性や将来性を評価)
2)学術貢献性(学術への貢献度を評価)
ただし、技術報告においては、この項目を評価しない。
3)工学応用性(実務への応用性を評価)
4)アッピール力、プレゼンテーション(論文の表現や当日の発表を評価)
2.審査方法
1)各セッションの司会者は、担当セッションの全ての発表を評価する。
ただし、最高点の研究発表は、担当セッションの中から1件とし、特に理由がある場
合には、2件以上も可とする。
2)審査員は担当する室の全ての発表を評価する。
なお、担当室の講演から上位 2 番目までの採点結果を区別できるように採点する。
特に理由がある場合には 3 番目以下を同点とすることも可とする。
3)司会者が担当セッションの中で最高点を付けた研究発表、参加者による推薦で上位 5
番目に入った研究発表、各審査員が 2 番目までの得点を与えた講演を表彰候補とす
る。
4)表彰候補から、部門・発表室毎にあらかじめ選定した表彰件数の目安を参考に、審
査委員および司会者の評価点平均値の上位より表彰者を定めることとし、学術研究
発表会委員の合議により決定し、支部長に報告する。
3.審査員
各室3名の審査員としましては、以下の方々にお願いしました。
第1室:下田先生(大阪大)、添田先生(大阪電通大)、大友さん(竹中工務店)
第2室:加賀先生(大阪大)、竹林先生(神戸大)、木虎さん(関西電力)
以上
