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2025年度 学術研究発表会奨励賞

学術研究発表部門:4編

A-8   Fluidic oscillatorを利用した周期変動吹出口に関する研究 
(その6)ノズル吹出型吹出口との比較による大空間における温度分布の検討

〇中川 虎太郎(大阪大学) 小林 知広(大阪大学) 蔣子韜(大阪大学) 崔 ナレ(大阪大学) 山澤 春菜(大阪大学) 竹島 健一朗(鹿島建設) 加藤 正宏(鹿島技術研究所)

審査評:本研究は,周期変動気流を発生させるFluidic Oscillator(FO)の空調吹出口への適用性をLES解析により検討したものである。解析はラック倉庫を想定し,ノズル吹出口との比較により評価が行われている。結果より,FOは高い拡散性により室上部および水平方向の温度均一性を向上させる一方,到達距離の短さにより室下部では均一性が低下することが示されており,その特性の長所と短所を明確に整理している点が評価できる。また,発表は解析条件や結果の整理が明快であり,実用化を見据えた具体的検討がなされている点も高く評価でき,奨励賞にふさわしい研究である。


A-32 屋根面画像解析に基づく民生業務部門の熱源設備採用状況のモデリング
〇西村 純(大阪大学) 林 優羽(大阪大学) 山口 容平(大阪大学) 内田 英明(大阪大学) 下田 吉之(大阪大学)

審査評:本研究は,屋根面の航空画像解析と機械学習を融合させることにより,民生業務部門建物における熱源設備採用状況の把握を試みた独創性と実用性を兼ね備えた研究である。冷却塔や空冷ヒートポンプチラー等を対象とした検出モデルを構築し,建物単位で良好な推定精度を示した点は高く評価できる。地域脱炭素施策の立案を支える基盤技術としての発展性も大きく,今後のデータ拡充と精度向上により、さらなる展開が期待される。以上より,本研究は奨励賞に値するものと認められる。


A-41    オフィス在室者への情報付与が自然換気窓の開閉行動と室内環境に及ぼす影響に関する研究
(その3)在室者へのナッジの与え方が自然換気窓開閉意欲と行動に及ぼす影響

〇射矢 航我(大阪大学) 小林 知広(大阪大学) 山澤 春菜(大阪大学) 山中 俊夫(大阪大学) 崔 ナレ(大阪大学) 小椋 梨音(大阪大学) 田中 宏昌(日建設計) 田辺 慎吾(日建設計) 五明 遼平(日建設計)   松崎 眞子(日建設計)

審査評:本論文は,自然換気窓の開閉を在室者が行うオフィスにおいて,自発的な開閉を促すためのナッジとして光,音,香りという異なる刺激を用いた際の比較を,実態調査によって行ったものである。ナッジの認知度,窓開放意欲向上度等について,刺激による差をわかりやすく示している。ナッジによる窓開放意欲向上度と窓開放希望頻度の関係を示すことでナッジが窓開放に与える影響の可能性にも言及している。省エネルギー行動喚起に行動経済学のナッジ適用の可能性を検討した新しい取組みとして評価できる。発表のわかりやすさ,質疑応答の的確さ等も含めて,奨励賞に値する論文と判定した。


A-55 知覚空気質評価における室内臭気の加算性に関する基礎的研究
(その4)外来者による畳材及びフローリング材に対する評価と体臭との加算性の検証

〇川口 由莉(大阪大学) 小林 知広(大阪大学) 崔 ナレ(大阪大学) 竹村 明久(関西大学) 山澤 春菜(大阪大学) 徳永 百華(大阪大学)

審査評:内装材の建材臭と在室者の体臭が外来者によって加算的に知覚されるのかを,いくつかの換気量条件下で検証した実験結果を示している。既報では換気量20・40m3/hで体臭とリノリウムに加算性が確認されたが,本報では,畳やフローリングの場合,換気量20m3/hで体臭との加算性が認められなかったことを報告している。そして,その理由を「感覚的消臭」という概念で説明している。評価者が日本人学生ということを言及しており,畳や木の場合にリノリウムとは異なる結果が出たことと結びつけて考察することも可能である。学術的にも実務的にも大変意義のある研究であり,発表および質疑応答も優れており,奨励賞に値すると評価する。


技術報告発表部門:1編

B-13 某本社ビルにおける換気設備計画
〇土井 琉斗(竹中工務店) 吉田 淳(竹中工務店) 藤井 勇樹(竹中工務店)

審査評: 本研究は,同時使用率の低い空間を有するオフィスビルを対象として,未利用室の空気を活用した希釈換気システムを提案し,CFD解析により事前検証を行ったものである。一般換気,希釈換気,自然換気,外気冷房,シックハウスの5つの換気モードの制御フローを構築し,CFD解析では,希釈換気回数及び換気方式の違いによるCO2濃度の推移を検討した。さらに,一次エネルギー消費量の削減効果についても評価を行い,提案システムの有効性を定量的に示すとともに,今後の実建物への適用や運用段階での検証につながる有用な知見が示された。発表構成も適切で,質疑応答にも的確に対応しており,奨励賞に値する発表と判定した。